院長のひとり言

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治療構造と治療理念

精神分析 から 自我強化法 への発展

過去には精神分析の祖であるフロイトに傾倒していた時期もあったが、やがて自分の治療体験の中で、また精神分析家との議論の中で、自分の治療感覚とのズレを感じるようになった。、無意識の存在も信用出来なくなり、夢分析なども不必要になった。治療者としての中立性に注意を払っていれば危機介入も可能になり、患者の自己分析は、より早く進むことが実感された。

“自我強化法”の治療構造と治療理念

一言でいえば、自我心理学による人間理解と、それに基づいた解釈で、患者さんの自我を強化してゆく治療法といえる。その自我強化法に、側面から自律訓練法と行動療法が支える形になっている。理論的には“カーンバーグの自我心理学”や“マスターソンの境界例治療理論”に大きな影響を受けている。
無意識や夢の分析は重視しない。また投影同一視の操作もあまり行わない。両方の治療手段も悪性退行に招来し易く、時間ばかりを無駄に消費しがちである。穏やかな陽性転移の下で二人で語り合い、自我の成長を目指す。患者と医者が馴染んできて、団らんの様になってくると、患者さんの自我が驚く程目覚ましく変化していく姿を、何度も目の当たりにしてきた。なお当然ながら、治療者側には“受身的中立性”と“積極的中立性”の使い分けが極めて重要となってくる。

自我強化法(毛塚)の要諦

1)病的依存性,病的思い込み、病的錯覚への“きずき“と”脱却“
2)健康な自己と誤った病的な自己を鑑別する能力
3)他者(両親、兄弟、先輩等)から誤って入力されたプログラムの入れ替え
   要らないものは捨てさり、自分に合った新しいプログラムに入れ替えていく
4)正当な自己主張の実現
   依存より自己主張をより重視。
   考えた末に選んだ自分を最大限に評価する
   人に頼らない。人の意見は無視していい 
   自分で考え自分で行動する 
   自分の中の”声なき声”に耳を傾ける
   自分で考え行動した結果が仮に失敗しても、一度も経験したことのない快感が湧き上がってくる。それが自信につながる
5)病的な葛藤の克服と昇華
   優先順位を常に重視する どんな人とも仲良くしようとしない   
   八方美人はやがて窮地に陥り、捨てられてしまう 敵か味方か、自分の第6感を働かせる 
   考えれば考えるほど信用できなく眠れなくなる人は切り捨てて良い