強迫性障害

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強迫性障害

45歳 男性 水道栓を何度 も確認 しないと気が済まない
父は公務員。母親が極めて回うるさい。弟が偏屈で病療持ち性格は几帳面、生真面日、小心人格障害の弟が父に家庭内暴力を繰り返し始め、母親から毎日“助けてく
れ"と電話が入るようになる。以来電話の音が怖くなると同時に、職場の水道栓を何度も点検せぎるを得なくなり、退社に1時間もかかるようになった。
パロキセチンで強迫症状は徐々に軽減して行った。しかしパロキセチンだけでは強迫の改善が十分でなく、イミプラミンに変更すると強迫症状は徐々に改善し始め、水道栓の確認は二回で終えることができ、職場にも良く適応できて欠勤もなくなった。
環境面でも良い介護施設が見つかった事が大きかった。母親の我儘のための介護施設からの苦情の電話も激減して、精神的負担から解放されたことも改善を後押ししてくれた。さらに周囲を巻き込み暴力的言動を繰り返していた弟も、母親が変化するのと並行して、どんどん温和で協力的になり兄を励ましてくれるほどに症状が改善していった。
強迫症状に対して、パロキセチンやフルボキサミンやミルタザピンなどは無効であった。一方イミプラミンは副作用もなく顕著な効果を示したことは、三環系の抗うつ剤の有用性が依然として重要であることを示している。
またこのケースの強迫性障害の発症は、自己愛性人格障害の母親の長年の看病と、暴力的言動を家族に繰り返す弟への対応等による疲労困憊に起因していると思われる。